泥棒に入られたけど損害は一万円だけでした

私は、田舎ののんびりした風土に育ったので、大学に行くために名古屋の都会に出て来た時ものんきなものでした。

例えばある時道を歩いていたら、「兄さん!兄さん」と車に乗った男の人に声を掛けられて、ブレザーを15000円で買わされたことがありました。しかも、こちらで好きなブレザーを選ぶのでもなく、先方が一方的に決めた色や柄のブレザーでした。そのブレザーはスカイブルーの派手な色なので、その後一度も着ないままでした。まるで風俗店の前で呼子をしている兄さんか、お笑いタレントのステージ衣装のような代物でした。今振り返って見ても、どうしてそんなお馬鹿なことをしたのかは自分でもわからないのです。

お店や会社が倒産した横流れ品だから、新品だけど高く売れないので仕方がないから15000円と超破格値で譲りたい!と言ったトークで世間知らずの学生に勧めたのでしょうね。昔のことなので、どんなトークで売りつけられたのかもハッキリと覚えていないのです。しかも、私自身も余程安いブレザーを勧められたくらいに思って得した気分になっていたのでしょうね。今でこそオレオレ詐欺やらひったくりなどが流行していますが、その当時は悪質な人間が山ほどいるということを心底思っていなかったことも確かです。

あるいは、こんなこともありました。学生専門のアパートに住んでいたので、靴脱アパートではありませんでしたが、1階と2階の通路の両側にそれぞれ部屋が15部屋程ある学生専門のアパートでほとんどの住人が学生でした。そんなアパートなので、毎日カギも掛けずに大学に通っていました。そんなある時に泥棒に入られたことがあるのです。しかも、ほとんど部屋を荒らされないままにお金だけ一万円だけ盗まれていました。どうして泥棒に入られて損害額が一万円だけなのかと言うと、学生なので部屋に一万円しか置いていなかったからなのです。学生アパートに入った泥棒も泥棒ですね。